古今和歌集(913)の仮名序文は、「やまと歌は、人の心を種として、よろづの言の葉とぞなれりける。」で始まります。
「力をも入れずして天地を動かし、目に見えぬ鬼神をもあはれと思はせ、男女の仲をも和らげ、猛き武士の心をも慰むるは、歌なり。」
「この歌、天地の開け始まりける時より出で来にけり。人の世となりて、素盞嗚尊よりぞ、三十文字あまり一文字は詠みける。」
和歌は、人の心を種にして万の言葉となった。
和歌は、力を入れず天地を動かし、目に見えない鬼神の心を動かし、男女の仲も和らげ、猛だけしい武士の心も慰める。
和歌は、天地開闢の時からあり、素戔嗚尊の時代に三十一文字になった。
この序文から、五・七・五・七・七の三十一文字は、日本人の心と深く結びついていることがわかります。
万葉集は雄略天皇(五世紀)の御製に始まり、大和の国だけでなく、九州の防人、富士山、出雲、伊予、伊勢、筑波など様々な土地で歌われています。
花を見て、鳥の声蛙の声を聴き、霞にあわれを、露に悲しみを重ね、心に浮かぶ言葉を、多くの人が和歌にして詠み続けてきました。そして、歴代の天皇と宮中、武将も民衆も、現代まで、三十一文字の文化は受け継がれ、その歌を贈りあい、ともに歌うことで、天を大地を大海原を治め、人心を動かしてきました。
明治時代にひらがなが50音と決められる前まで、日本人は様々な漢字から気分で変体仮名を選んで、文章を作ってきました。送り仮名にも正解というものは厳密ではなかったようです。
150年ほど前まで、日本人は日常的に筆と墨で文字を書いていました。ペンが使われるようになり、縦書きが横書きになり、今ではキーボードをローマ字変換で入力することが普通になってきています。
アルファベットだけ使う英文などの入力と異なり、日本語は漢字変換やひらがな、カタカナ、英数入力と様々な機能を駆使します。
現代人の抱えるストレスの一つは、このキーボード操作にあるという説もあります。
ひと時、筆を持ち紙に文字を丁寧に書いてみる。
そんな時間が和の心を整え、自然を感じ、恐れを癒し、人間関係を和らげ、怒りを慰める。
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